テンション高めの女子を作る

zootieのはじまり

社長今石雄介と、わたし浅野かおりは神戸で育ちました。

社長21歳、わたし20歳。
1995年1月17日阪神淡路大震災に見舞われるまで
とても普通に
なにも感じることなく
神戸で暮らし、神戸で働いていました。

わたしはその頃夢があって
何かしらのコミュニティーが作りたいと
友人とお店を出す計画をしていました。
(今考えると浅い恥ずかしい夢だったけど)

神戸には《お茶をする》というカフェ文化があって
自分たちらしいカフェを作りたいと
それぞれがバイトして
お金を貯めたりしていました。



そして震災後
地方出身だった友人は地元へ帰り
自宅と働き口を失ったわたしは
1年間神戸の土地を離れて暮らすことにしました。

特に神戸に思い入れがあったわけではなかったけど
離れてみて、日に日に神戸らしいということが
どれだけ自分の生活に染み付いていることか。

高架下で買い物して
新聞会館で映画観て
元町から三宮まで
なんどもなんども歩いて往復。
疲れたらお茶して。
どこにいっても
美味しいパン屋があって
美しい街がいつもそこにある。

メリケンパークで
おセンチになって友だちに泣きついて
動物園には当たり前にパンダがいて
北を向けば山があって
南を見れば海がある。



奇しくもあの街の良さを
震災というアクシデントで
気付くことになりました。


住むところも
働くところも
神戸じゃないという違和感。

どうやって、いつ戻ろうかと
ずっと考える毎日。





今石は大学生。
自宅半壊、火の海になったあの長田区出身です。
生まれ育った場所が焼け野原になって
はじめて神戸を意識したもう一人の人物。

バイト先の飲食店の大将と
焼け野原の中にプレハブを建て
内装看板すべて自分たちの手で進め
再建を目指していたそうです。





被災してはじめて
それぞれの『神戸』を意識し
それぞれ、ぼんやりと
自分たちがこれからどこでどうしていきたいのかを
模索しているような日々が数年続きます。



その後、震災景気が続く神戸で
今石とわたしは
同じ会社で働く同僚として知り合いました。

当時はみんながマイナスになってしまった神戸を
元に戻すことだけで精一杯。
でも、それだけに苦心してしまい
ただそれだけで心が保たれているような状態です。

そして
その震災需要もふと落ち着き
どんどんと多くの地元企業が倒産していったのです。



その渦中にいたわたしたちも
ただ溢れてくる業務をこなしていることに
疑問を持つようになり

その復興事業が落ち着くと
心にぽっかりと穴が空いて
どこを向いて仕事をしているのか
どこへ向かえばいいのかさえわからなくなってしまいました。



ボーナスはなくなり
給料も減り
どんどん仲間も減らされていきます。

社員だけではなく
経営者たちも疑心暗鬼になる。
もはや、何も見えない暗闇。

何がしたかったわけでもないけど
その真っ暗な、何も見えなくなった人たちの抗争に巻き込まれ
わたしたちは会社を去ることを選びました。


再就職先があったわけでもないけど
漠然と『神戸に住んで神戸で働く』それだけは変わらない想いでした。




その後、結婚。

失業したまま、新婚旅行へでかけます。

後にも先にも
あんなに楽しくなかった旅行はなかったなー(笑)


失業して、未来が見えない。



やりたいこともない。




ただぼんやり海を眺めているだけ。



唯一、やらなくてはならなかったことは
お世話になった人たちへ
お土産を選ぶことです。


互いに独立願望のあったふたりが
手に取るものすべてが

『これ、日本だと3000円くらいで売れそうだねぇ』

そんなおままごとの商売みたいなことを
言いながら買い物。




見たこともないものが
世界中にはたくさんある。
知らないことだらけ。

それは見たことがないという『価値』の発見がそこにはありました。









そして程なく
知人から『物件があるけど、なんかやる?』と
話が飛び込んできたのがきっかけで
ふと、なんの志もなかったわたしたちが選んだのは《起業》。
自分たちの働く場所を自分たちで作ることを選びます。



真っ暗で、顔の見えない仕事をするのはもうごめん。
そんな風に思っていたのかなー。


今思うとこの経験があったから
わたしたちの仕事に対する軸は、いつも《人》。
マイナスをゼロにする仕事ではなく
いつもなにかをプラスにできるような仕事を《仲間》と
やりたいと考えているのかもしれません。





そして起業。
思った以上に簡単ではなかった。


手持ちの資金なんてありません。
結婚するためにわずかにあった手元の30万と
今石の母親が渡してくれた
小さい頃から使わずにずっと貯めていたお年玉。

僅か過ぎて笑っちゃうけど
わたしたちのスタートは本当に誰が見ても無謀なもので
反対はなくとも誰も上手くいくとは思ってない見切り発車。


10坪。
雑居ビルの2階。
両者全く商売の経験なし。




ここからがズーティーのスタートです。


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